私は3年ほど前に、未経験からWebデザイナーに転職しました。
Web制作の業務に慣れてきた反面、自分のスキルの低さを実感するようになったのが、1年目が終わる頃。
2015年4月末に始めて、達成したのは2016年3月。ざっと1年かかりましたね。
今回は「なぜこのプロジェクトをはじめたのか」から、「2200時間勉強した新人デザイナーがどう成長したか」をまとめたいと思います。
- なぜ 2200時間?
- はじめた頃は、Webデザイン初心者
- Wd2200 Project 全ての記録
- プロジェクトを進めるうえで優先したこと
- 結局、2200時間勉強して習得できたの?
- なぜ2200時間では習得できなかったのか
- 思いもよらなかったメリット
- Wd2200 Project の今後
なぜ 2200時間?
ある事柄を習得するのに必要な時間が、"2200時間"とされているからです。
"その道のプロ"と"初心者"との脳の使い方が明らかに違うことが、脳科学の研究結果で出ています。プロと初心者の脳の使い方を比較すると次のようなことが言えます。
- ・プロ…脳の機能を局地的に、必要最小限だけ使える
- ・初心者…脳の広い範囲で、色んな機能を使ってしまう
プロは特定の事柄を、何度も繰り返し行ってきた経験から、脳を効率よく使える"省エネ化"ができています。そのおかげで、初心者より高いクオリティで、とんでもないスピードでできたりするんですね。
では、どうすれば初心者からプロのような脳の使い方ができるようになるのか?
その、脳を"省エネ化"するために必要な勉強時間が、2200時間といわれているんです。
過去に脳の"省エネ化"を取り上げています。この時期から脳科学に興味を持つようになりました。
とにかくなんとかプロに近づきたいと悩んでいた頃に出会ったのが、省エネ脳の話で、それをWebデザイン向けにアレンジしたのがWd2200 Projectなんです。
Wd2200 Project
"Web designを2200時間勉強するProject" の略称。
プロのWebデザイナーを目指し、個人的に始動。
はじめた頃は、Webデザイン初心者
脳の"省エネ化"ができればプロに近づけると思い、一番習得したかったWebデザインを2200時間勉強することを決めました。また、本当に"省エネ化"すれば何かを習得できるのか、検証してみたかったのも理由のひとつです。
この頃はまだ、アシスタント業務をしていて、サイト全体のデザインをすることはありませんでした。
勉強を始める前に制作したデザインはこんな感じでした。
Wd2200 Project 全ての記録
期間 2015年4月28日〜2016年3月
時間計測に使用したアプリ
デザインのクオリティが高く、使用感も満足するものでした。
任意の期間のデータで出力・共有できるのも、ブログで報告したい方には嬉しい機能です。
プロジェクトを進めるうえで優先したこと
はじめた当初は、Webデザイナーに必要な知識・技術をすべて理解していませんでした。
「何ができればプロのWebデザイナーなのか」という定義が自分の中になかったんですね。
というより、定義できるだけの知識や経験がまだまだありませんでした。
ですので、関連のありそうな分野の情報はとにかく取り入れるように心がけていました。さらに、自分が勉強したいと思った分野を優先していました。
脳の"省エネ化"を進めるのに必要なのは、「2200時間の勉強時間」と「楽しく取り組むこと」です。
体調が悪かったり仕事の繁忙期は、無理に勉強しないようにもしていました。
結局、2200時間勉強して習得できたの?
自己申告なのですが、初心者Webデザイナーからは卒業できたと思います。
しかし、まだまだプロにはほど遠いです。
つまり、2200時間勉強してもWebデザインを習得できていないと思っています。
記録のため残しておきたいので、先ほど勉強前に制作したデザインを、今の私が作り直してみました。
技術的な部分も少し成長できているのですが、絵で見るとあまり大きな変化はないかもしれませんね。
ただ、デザインを行う上で大切になる考え方には、かなり変化があったと思います。
長くなりそうでしたので、勉強前と勉強後のデザイン比較を別記事にしました。
なぜ2200時間では習得できなかったのか
それでは、なぜ2200時間勉強したのに習得できていないのか?
私なりの答えは2つあります。
① "Webデザイン"を行うのに必要な知識や技術が、あまりにも多いから
Webデザインをしたことがある方には周知のことだと思います。
しかし、初心者や未経験の頃は、こんなに沢山のことを勉強する必要があるとは想像もできませんでした。
プロジェクトを終えて、「Webデザインを習得するのに2200時間では足りないな」というのが実感としてあります。
もちろん、濃縮してうまく時間を使えれば充分に上達できる場合もあるでしょう。
② 知識と技術は別物だから
もう1つは、知識と技術は別物だからだと思います。
最近実感しているのですが、いくら知識が豊富でも、手を動かして意図しているものをつくれるかどうかは分からないんです。
それは、技術は実際に手を動かすことでしか習得できないからだと思います。
もちろん、知識が技術の補強をしてくれることは確かなのですが、十分ではないですよね。
いくら野球の解説を上手にできても、プロ野球選手になれるとは限らないんです。
スキルがあまりにも多岐に渡っているうえに、習得が難しいので、プロのデザインはまるで魔法でも使っているかのように見えるんですよね。本当にかっこいい。
色々と述べましたが、とにかく、まずは初心者から脱することができたのは嬉しいです。自信にもなりました。
次は中堅Webデザイナーを目標にしたいと思います。
思いもよらなかったメリット
個人的にしていたプロジェクトでしたが、大きなメリットがありました。
それは、職場での評価が上がったことです。
Wd2200Projectを始めた頃はアシスタント業務が主でしたが、今ではWebデザインチームのまとめ役になりました。
同僚のデザインチェックなど少しずつ任せていただけることが増えてきました。
「頑張った仕事のごほうびは、もっとやりがいのある仕事」とどこかで聞いたことがありますが、本当にその通りです。
転職した頃は単調な仕事や、デザインから離れた仕事しかできず悔しい思いをしていました。(その中でも研修期間を設けて頂いたり、今思えば恵まれていました…)
今は経験が増えた分、やりがいのある仕事に関わることも増えてきて嬉しいです。
Wd2200 Project の今後
プロのデザイナーだと言えるようになるまで続けたいので、もう一度Wd2200Projectをしようと思っています。
ただ、2回目はやみくもにするのではなく、ある程度方向性を定めてから始めようかな。
仕事の時間を加味しても達成するのに1年かかりましたので、1年後どんなWebデザイナーになっていたいかも考えておいた方がいいですよね。
最近、もっと専門的に、かつ体系的にデザインを学んだ方がいいのでは、とも思います。なので、カリキュラムも組んでみようかなと考えています。
長々と独り言のようになってしまいましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
アイデアをまとめられたら、また記事にするかもしれません。